1級建築施工管理技士の試験にいきなり挑戦するのは無理?受験資格や受験する際の注意点を解説

皆さんこんにちは。長野県長野市を中心に、総合建築工事業を手掛けている株式会社美喜工務店です。


建設業全体の人手不足から、建築施工管理技士の資格保持者は幅広い現場で需要が高まっています。少しでも早く資格を取得するために、2級試験を受けずいきなり1級建築施工管理技士試験を受験することは可能なのでしょうか。


本記事では、1級建築施工管理技士の受検資格および、必要とされる実務経験を解説します。これから受験を検討されている方は、ぜひご一読ください。




■建築施工管理技士はいきなり1級から受かる?



皆さんもご存じのとおり、建築施工管理技士は1級と2級に分かれています。各級の違いは、受け持つことができる現場の規模や、経営事項審査における加点などです。


1級では、建設工事のうち17項目で施工管理を担当できるほか、監理技術者・主任技術者・営業所の専任技術者などに就くことが可能です。一方2級は、監理技術者および、特定建設業における営業所の専任技術者にはなれません。また、施工管理を請け負える範囲が少なく、担当できる工事の幅も1級より狭くなります。加点については、1級は5点であるのに対し、2級では2点とされています。これらの観点から、2級よりも1級の方が仕事の幅が大きく広がることが分かります。


少しでも早く1級建築施工管理技士の資格を取得したい人は、2級を受けずにいきなり1級を受験できるのでしょうか。



・条件を満たせば1級試験の受検は可能

結論からいうと、2級建築施工管理技士の資格を持っていなくとも、条件を満たせば1級試験を受検可能です。1級建築施工管理技士の第一次検定を受検するには、学歴に応じた実務経験が求められるため、実務経験証明書の提出により経験を証明できれば、受検できるのです。


なお、実務経験の年数には、「指導監督的実務経験」が1年以上含まれていることが条件です。これは、現場の部下や下請け業者などに対して、施工監督・現場代理人・主任技術者・設計監理者・工事主任などの立場で指導・監督をした経験(受注者・発注者両方の立場を含む)をさしています。技術面を総合的に指導・監督した経験が、施工管理技士として必要な実務経験となっています。


第一次検定を、同一種目の2級施工管理技士の資格を取得しているか、もしくは学歴・資格に応じた実務経験を積んでいるか、どちらの要件で受検したかにより、第二次検定の受検に実務経験が求められるかが変わってきます。2級試験を受けずに、いきなり1級試験を受検したい方は後者に該当し、そのまま第二次検定の受検が可能です。


ただし、覚えておきたいのは、1級試験は2級試験よりも難度がかなり高くなる点です。2級技士を持っていなくとも受検は可能ですが、第二次検定で出題される記述問題においては、経験がないと回答が難しくなっています。


》建築の施工管理の資格「建築施工管理技士」とは? 取得のメリットや試験の概要を紹介




■1級建築施工管理技士の受検資格と実務経験



1級建築施工管理技士の受検資格は、学歴・保有資格・実務経験の年数などによって異なると解説してきました。ここからは、第一次検定・第二次検定それぞれで必要とされる受検資格と実務経験を解説します。



・第一次検定の場合

第一次検定の受検資格となる実務経験を、学歴ごとに見ていきましょう。なお、ご自身が該当する学歴が、指定学科かそれ以外のいずれに該当するかは、受検の手引およびホームページで確認してみてください。


大学卒・専門学校卒(高度専門士)の場合は、指定学科の卒業であれば3年以上・指定学科以外では4年6か月以上の実務経験が必要です。短期大学・高等専門学校(5年制)・専門学校の専門士であれば、指定学科の卒業では5年以上・指定学科以外では7年6か月以上の実務経験が求められます。高校・中高一貫校・専門学校の専門課程では、指定学科の卒業では10年以上・指定学科以外では11年6か月以上の実務経験が必要とされています。その他の学歴では、15年以上の実務経験が受検資格となっています。


実務経験として認められる工事種別も細かく決められており、建築工事として実施された工事に限られています。認められない工事および業務の詳細についても、受検の手引に掲載されているため、しっかりと確認が必要です。


なお、建築施工管理技士と深い関係を持つ1級建築士の試験に合格しており、かつ第一次検定の受検資格である実務経験を満たしていると、1級建築施工管理技士の第一次検定が免除されます。



・第二次検定の場合

第一次検定の受検において、学歴に応じた実務経験を積んでいることを証明していれば、第一検定に合格すると第二次検定が受検可能です。第一次検定の受検資格によって、第二次検定を新規受検申込もしくは再受検申込どちらで手続きするかが変わってきます。


自営業であっても、行政官庁の建設業許可を受けていれば、実務経験として証明できますので、最低でも都道府県知事の許可を受けておくと安心です。



・実務経験証明書の取得方法

実務経験証明書は、出願時に提出が必要となるため、忘れずに準備をしておかなくてはいけません。受検申請書本体に記載して提出します。


記入の際には、勤務先ごとに工事の種別や内容・従事した立場や勤務期間を記入するほか、実務経験年数は受検年度の前年度末時点で計算します。実務経験年数が足りない場合は、第一次検定の試験日前日まで数えることが可能です。


記入が終わったら、勤務していた会社から、証明者欄へ証明を受けます。手続きにかかる時間も考慮し、早めに準備しておきましょう。転職しているのであれば、過去に在籍していた会社からの証明は不要であり、出願時点で勤務している会社からの証明のみで出願可能です。証明者は、勤務先が民間企業の場合は代表取締役などの代表者・公共機関であれば市長などが原則となっています。


書類提出後の加筆・訂正・再提出などは一切認められていません。記載内容が事実と異なっていると、試験を受検できなくなる可能性もありますので、充分確認したうえで提出しましょう。




■令和6年度の受検資格緩和でさらに受けやすくなる?



令和6年度から、1級・2級建築施工管理技士の受検資格が見直されることになっています。建設業の人手不足解消に向けて、中長期的な担い手を確保・育成するため、建設業法に基づいた見直しが行なわれるためです。


令和5年度までは、1級の受検に際して、学歴に応じた実務経験が必要でした。詳しい受検資格は、「1級建築施工管理技士の受検資格と実務経験」の項で解説したとおりです。令和6年度からは、実務経験を問わず、19歳以上(当該年度末時点)であれば受検できるようになります。これにより、1級建築施工管理技士の試験が受けやすくなります。


令和6年度から、第二次検定の受検には、第一次検定に合格後、1年間の特定実務経験を含む実務経験が3年必要です。特定実務経験とは、請負金額が4,500万円(建築一式工事では7,000万円)以上の建設工事における、監理技術者・主任技術者としての経験をさします。

これまで同様、いきなり1級から受けることは可能ですが、実務経験について理解しておくことが大切です。


第二次検定の受検に必要な実務経験は、監理技術者補佐としての経験であれば1年・その他の実務経験では5年となっています。ただし、経過措置として、令和10年度までは改正前の資格で受検できるとされています。


令和6年度以降の試験の運用については、詳細が決まり次第公表される予定です。関係機関の最新情報を随時確認するようにしましょう。




■まとめ


本記事で解説してきたように、2級建築施工管理技士を取得せずに、いきなり1級建築施工管理技士試験を受検することは可能です。ただし、各級の難易度が大きく異なるため、業務の中でしっかりと知識を身につけ、試験に向けて取り組む姿勢が求められます。


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