建築の施工管理の資格「建築施工管理技士」とは? 取得のメリットや試験の概要を紹介


皆さんこんにちは。長野県長野市を中心に、総合建築工事業を手掛けている株式会社 美喜工務店です。


建設現場において、全体の指揮監督を行う責任者のことを「施工管理」といいます。工事が予定通りの品質・スケジュールで完了するかどうかは、施工管理の能力にかかっていると言っても過言ではないため、ふさわしい人を選任しなければなりません。


そんな施工管理を目指す人が、ぜひ取得しておきたい資格が「建築施工管理技士」です。建築施工管理技士の資格を持っていると、自分の施工管理能力を証明しやすくなり、仕事の幅も広がるのでキャリアアップに大変役立ちます。ここでは、建築施工管理技士の特徴や取得するメリット、試験の概要について解説します。




■建築施工管理技士とは?



建築施工管理技士とは、建築関連の施工管理の技能を認定する国家資格です。建築・土木・電気施工など、7分野に分かれている施工管理技士の資格の1つで、大工・左官・鉄筋・塗装といった工事における施工管理の能力を認定します。


施工管理の主な仕事は、建設工事の現場において全体を指揮監督し、工事の進行状況を管理し、工事を予定通りに完了させることです。特に重要な業務としては、以下の4つが挙げられます。



▼工程管理

工事のスケジュールの管理です。工事を予定通りに完了させられるように、職人の配置や資材の発注などを行い、現場をコントロールします。



▼安全管理

安全に工事ができるように現場を管理する業務です。作業員への安全教育や健康管理、RAKY(リスクアセスメント危険予知)活動、安全パトロールなどを実施します。



▼原価管理

利益を確保できるように、工事の原価(実際にかかった費用)を管理する業務です。必要な分の費用は使いつつ、過剰な作業員の配置や資材発注などが起きないように調整を図ります。



▼品質管理

工事の成果物(建物)が、設計図や仕様書の通りの品質を満たせるように管理する業務です。予算に合わせて材料の選定や性能・精度等の設定を行い、作業員に細かな指示を出し、成果物のチェックも行います。


これら「4大管理」が、施工管理の仕事の中心です。さらに「環境管理」を加えて「5大管理」と呼ぶこともあります。これ以外にも、さまざまな業務をこなす必要があり、実際の仕事内容は多岐にわたります。その能力を認定するのが、建築施工管理技士の資格なのです。


なお、建築施工管理技士の資格は1級と2級に分かれており、それぞれできることが異なります。詳しくは次の項目で解説します。




■建築施工管理技士の1級と2級の違い



建築施工管理技士の1級と2級には、いくつかの違いがあります。1級の方がより高度な施工管理技術を認定されるのはもちろんですが、最も大きな違いは「管理できる現場の規模」です。


建設業者が元請として外注総額4,000万円以上(建築一式工事の場合は6,000万円以上)の工事を受注する場合は、施工の技術上の管理を担う「監理技術者」を現場に配置する義務があります。監理技術者になるためには、1級建築施工管理技士の資格が必要です。


また、下請工事や、元請であっても外注総額が4000万円未満(同6000万円未満)の工事を受注する場合は、同じく技術上の管理を司る「主任技術者」を配置する義務があります。主任技術者になるためには、1級もしくは2級の建築施工管理技士の資格が必要です。


このように、2級は主任技術者にしかなれないのに対し、1級は主任技術者にも監理技術者にもなることができます。つまり、1級の方が仕事の幅が広く、より大規模な工事の責任者を務められるのです。




■建築施工管理技士の資格を取得するメリット



建築施工管理技士の資格は、施工管理の仕事をするために必須というわけではありません。しかし、建築施工管理技士の資格を取得すると、多くのメリットが得られます。主なメリットを見ていきましょう。



・キャリアアップや給与アップが見込める

前述したように、建築施工管理技士の資格を持っていると、建設現場の主任技術者や監理技術者になることができます。つまり、重要なポジションについて働けるようになるのです。特に1級級建築施工管理技士の保有者は、担当できる工事の規模の上限がなくなるため、会社によっては巨大なプロジェクトに携わることもできます。


また、主任技術者・監理技術者になったり、より大きな工事を担当したりすれば、給与もそれに応じてアップします。資格を持っているだけで資格手当が受け取れる会社も多いのが魅力です。キャリアアップや給与アップを図りたければ、建築施工管理技士の取得は必須といっていいでしょう。



・転職に役立つ

建築施工管理技士の資格は、転職の際にも役立ちます。建設工事を受注する企業にとって、主任技術者や監理技術者の配置は義務であり、一定数の有資格者は必ず確保しておかなければならないからです。資格を持っていれば多くの企業に必要とされ、より条件のいい企業に入社しやすくなります。


特に近年では、建設業界全体が人手不足に陥っており、施工管理の担い手も不足しています。施工管理技士補の資格が新設されたのも、人手不足に対応するためです。有資格者の価値は今後も上昇していくと考えられるため、今のうちに資格を取得しておけば、引く手あまたとなるでしょう。


加えて、営業職などへのキャリアチェンジを図る場合にも有利になります。有資格者の持つ専門的な知識と経験は、他の職種でも大いに役立ちます。同じ会社の中で、新たな仕事に挑戦してみるのもいいでしょう。




■建築施工管理技士の試験概要・受験資格



建築施工管理技士の資格を取得するためには「建築施工管理技術検定」という試験に合格する必要があります。この試験の概要や、受験資格について確認しておきましょう。



〇試験概要

1級の試験は年に1回、2級の試験は年に2回実施されます。試験は第一次検定と第二次検定に分かれており、第一次検定はマークシート形式、第二次検定はマークシート形式+記述形式です。


2級の第二次検定は「建築」「躯体」「仕上げ」の3つに分かれており、どれか1つを選んで受験します。1級の第二次検定では、実務における応用力も問われるため、難易度は高めです。


1級・2級ともに、第二次検定に合格すると建築施工管理技士の資格を取得できます。また、2021年度からはルールが変更され、第一次検定の合格者は「建築施工管理技士補」という新しい資格を取得できるようになりました。


1級建築施工管理技士補の保有者は、監理技術者のサポート業務を行うことができます。2級建築施工管理技士補には、今のところ特に業務が設定されていません。ただ、2級の技士補だけは実務経験なしでも取得できます(詳しくは後述)。



〇受験資格

受験にあたっては1級・2級ともに一定の実務経験が必要で、1級の方がより長い実務経験を求められます。また、最終学歴も受験資格に関係しており、学歴によって必要な実務経験が細かく分けられています。それぞれ見ていきましょう。


※受験資格の詳細は、必ず公式HPをご確認ください。



・1級建築施工管理技士

大学の指定学科を卒業した場合は、3年以上の実務経験を積むと受験できます。高校や大学などを卒業していない場合でも、14年以上の実務経験があれば受験可能です。


また、2021年度の4月からは受験資格が緩和され、2級の第二次検定合格者であれば、無条件で1級の第一次検定を受験できるようになりました。つまり、2級建築施工管理技士になった後、最短で翌年には1級施工管理技士補の資格を取得できます。第二次検定を受験する際は、2級の第二次検定合格後から5年以上の実務経験が必要です。



・2級建築施工管理技士

大学の指定学科を卒業した場合は、1年以上の実務経験を積むと受験できます。高校や大学などを卒業していない場合でも、8年以上の実務経験があれば受験可能です。試験自体の難易度も1級より低いため、まったくの未経験者でも、20代のうちに十分取得が見込めます。


また、第一次検定に限っては、試験実施年度に満17歳以上となる人であれば誰でも受験できます。つまり、2級建築施工管理技士補の資格は、実務経験なしでも取得できるのです。意欲があれば、就職・転職の前に取得に挑戦してみてもいいでしょう。


ちなみに2022年度の試験の合格率は、2級の第一次検定が42.3%・第二次検定が53.1%、1級の第一次検定が46.8%・第二次検定が45.2%となっています。ここ数年間の1級の第二次検定合格率は、平均すると40%程度です。


極端に狭き門というわけではありませんが、合格率は半分以下ですから、難易度はやや高めといえるでしょう。学歴や実務経験から、自分が受験可能になるタイミングを把握しておき、計画的にスキルの習得や勉強を進めることが大切です。




■まとめ


建築施工管理技士は、建築関連の施工管理者として働くなら、ぜひ取得しておくべき資格です。保有しているとキャリアアップや転職に役立ち、給与もアップします。


特に2級は1級よりも試験の難易度が低く、受験に必要な実務経験の年数も短いため、比較的早い段階で取得可能です。未経験者や無資格者の方は、まずは2級の取得を目指して現場での経験を積みましょう。


そこからさらに経験を積んで、1級施工管理技士の資格を取得すると、昇給・昇進や転職において非常に有利になります。受験資格を満たした段階で速やかに取得できるよう、計画的に勉強するのがおすすめです。


もちろん、前提として十分なスキルの習得が必要となる他、受験には費用もかかります。スムーズな資格取得のためにも、未経験者・無資格者を積極的に受け入れており、資格取得支援制度もある会社に入社するといいでしょう。




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美喜工務店は長野県を拠点に、店舗建築や戸建新築、リフォームを手掛けている創業45年の会社です。現在は大型ホームセンターや量販店などの商業施設の現場をメインに行っています。


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未経験の方の採用も積極的に行っており、未経験者は入社時に資格がなくてもOKです。資格取得をサポートする制度があり、取得にかかる費用は会社が負担しているため(上限10万円)、安心して資格の取得に集中できます。


もちろん、すでに資格をお持ちの方は、入社時に相談の上、給与に反映させていただきます。これまでの経験や能力に見合った待遇をご用意いたしますので、ぜひお話をお聞かせください。


未経験から一流の施工管理を目指したい方、さらにスキルを磨きたい経験者の方、どちらも大歓迎です。興味のある方はお気軽にご連絡ください。皆さんと一緒に働ける日を楽しみにしています。