2級建築施工管理技士の取得に必要な勉強時間はどれくらい? 独学で合格するためのコツを解説!

皆さんこんにちは。長野県長野市を中心に、総合建築工事業を手掛けている株式会社美喜工務店です。


建設現場の施工管理として働く場合、ぜひ取得しておきたい資格が「建築施工管理技士」です。建築施工管理技士の資格を持っていると、施工管理スキルの証明になったり、「主任技術者」になることができたりと、多くのメリットが得られます。


そして、建築施工管理技士は1級と2級に分かれており、まずは2級から取得するのが基本です。取得するためには試験に合格する必要がありますが、どのくらい勉強すればいいのでしょうか? 

ここでは、2級建築施工管理技士の試験合格率や必要な勉強時間、受検勉強のコツについて解説します。




■2級建築施工管理技士の試験内容と合格基準



2級建築施工管理技士の資格を取得するためには、「建築施工管理技術検定」に合格する必要があります。この試験は、第一次検定と第二次検定に分かれており、両方に合格することで資格を取得できます。最初に、第一次と第二次それぞれの形式を確認しておきましょう。



・第一次検定

第一次検定はマークシート形式の4択問題です。建築学等、施工管理法(基礎知識+能力)、法規の科目から出題されます。2022年度は全50問のうち40問に解答する必要があり、各問1点の40点満点で、24問以上(60%以上)の正解で合格でした。


なお、第一次検定の合格者は「2級建築施工管理技士補」の資格を取得できます。2023年時点では、2級技士補に認められた業務は特にありません。しかし、2024年度からは制度が改正され、2級技士補としての実務経験が3年以上あると第二次検定を受検可能になる予定です。



・第二次検定

第二次検定は、マークシートに加えて記述形式の問題も出題されます。建築・躯体・仕上げの3分野から1つを選び、各分野に対応した施工管理法の知識・能力に関する問題に解答します。2022年度はマークシート形式が14問、記述形式の大問が3問出題され、得点率60%以上で合格でした(配点は非公表)。


》建築の施工管理の資格「建築施工管理技士」とは? 取得のメリットや試験の概要を紹介




■2級建築施工管理技士の試験の合格率・難易度



2級建築施工管理技士の2022年度の合格率は、第一次検定が42.3%、第二次検定が53.1%でした。最終合格率(第一次検定合格率✕第二次検定合格率)は、約22.5%です。大体5人に1人は合格していることになります。


また、直近5年間の合格率を見ていくと、第一次検定は20%台~40%台、第二次検定は20%台~50%台で推移しています。直近5年間の平均合格率は、第一次検定が36.9%、第二次検定が39.3%でした。これは国家資格の試験としては比較的高い数値であり、有用性が高い割に取得しやすい資格といえるでしょう。


ただし、受検する年によって合格率が大きく異なる点に注意が必要です。たとえば、直近5年間で最も合格率が低かった2018年度は、第一次検定の合格率が25.9%、第二次検定の合格率が25.2%でした。最終合格率は約6.5%で、2022年度と比較するとかなり開きがあります。


直近3年は、それ以前に比べて合格率が高くなっていますが、今後どのように推移するかはわかりません。合格するためには、しっかりと計画的に勉強する必要があります。




■2級建築施工管理技士の取得に必要な勉強時間はどれくらい?



2級建築施工管理技士の試験では、法律に関する知識をはじめとして、現場で働くだけでは身につきにくい知識が数多く問われます。そのため、合格するためには勉強が必須です。では、一体どのくらい勉強すると合格できるのでしょうか?


これは学生時代に学んだ知識などにもよるので一概にはいえませんが、一般的には100~300時間ほどの勉強が必要だとされています。毎日1~2時間勉強した場合、最短2~3ヶ月程度で合格できる計算です。


数字だけを見ると、それほど長時間の勉強は必要ないように思えるかもしれません。しかし、問題は「毎日働きながら勉強もしなければならない」ということです。現場の仕事で疲れている方にとって、毎日帰宅してから1~2時間受検勉強をするというのは、思った以上に大変に感じられるでしょう。


そのため、まずは勉強を習慣化することが大切です。仕事で疲れているかもしれませんが、短時間でも毎日必ず勉強するようにしましょう。一度勉強する癖がついてしまえば、仕事が終わってからの勉強もそれほど苦にならなくなります。帰宅の直後、夕食の後、そして寝る前など、勉強の時間を決めて毎日の生活に組み込んでみてください。


また、勉強する時間が限られている以上、効率的に勉強することも重要です。参考書や問題集を使って勉強していると、自分の苦手な分野や理解不足の分野がだんだんわかってきます。そこに重点を置いて勉強し、苦手分野をカバーするのが効率のいい勉強法です。まずは自分の弱点を分析するところから始めてみましょう。




■独学で合格するための勉強のコツ



2級建築施工管理技士の取得に向けて勉強する時は、主に独学で勉強する方法と、専門学校に通って勉強する方法の2つが考えられます。専門学校は講師によるわかりやすい授業が受けられ、不明点はすぐに質問できるのがメリットですが、決められた日時に学校に通って講義を受けなければなりません。また、受講費用もかかります。


そのため、あくまでも独学での合格を目指している方も多いでしょう。とはいえ、自分1人で十分な学力を身につけるのはなかなか大変です。そこで、独学で合格するための勉強のコツをご紹介します。



・参考書は1つに絞る

受検勉強を始める際、「とにかくたくさん知識を身につけよう」と考え、参考書をいくつも購入して読む方もいるでしょう。しかし、これはあまりおすすめできません。なぜなら、手当たり次第に参考書を読み漁っても、十分な知識が身につかないケースが多いからです。


そもそも、参考書を1回読んだだけで、その内容を完全に記憶・理解できている人がどのくらいいるでしょうか? おそらく多くの方は、半分も理解できていないはずです。このような勉強方法だと、すべての参考書の理解が中途半端になるだけで、読んだ本の数の割に実力が身につきません。


実際のところ、2級建築施工管理技士の資格取得については、参考書は1冊で十分です。1冊の参考書を2周、3周と読み込むことで、周回のたびに曖昧だった知識が補完され、しっかりと理解できるようになります。手当たり次第に参考書を読むよりもずっと効率的なので、勉強がうまくいっていない方もぜひ試してみてください。



・過去問題集を解き出題傾向を知る

試験の問題には、一定の出題傾向というものがあります。試験の問題数が限られている一方、「特に重要な知識はどの分野か?」「絶対に答えられないとまずいのはどのような問題か?」といったことも、ある程度決まっているからです。もちろん今後の試験でも、出題傾向は保たれるでしょう。


そのため、資格取得に向けた勉強においては、過去問題集を繰り返し解いて出題傾向を知ることが何よりも重要です。過去数年分の問題を解いていると、頻出する分野や形式がだんだんわかってきます。それこそ、問題の本質(何の知識を問いたいのか)がよく理解できていない段階でも、何となく正解がわかる場合もあるほどです。


もちろん、出題の意図や問題の本質を理解できるのが理想ではあります。しかし、まずは多くの問題に触れ、「実際どんな感じの問題が出されているのか」という感覚をつかむことが大切です。そして、解けない問題があった時は、必要以上に時間をかけず解答し、すぐに採点して正解を確認しましょう。参考書は過去問のサポートに使う程度で構いません。


なお、先に少し触れた通り、2024年度からは建築施工管理技士の検定制度が改正される予定です。具体的には、受検資格に学歴がほぼ関係なくなります。それに伴い、出題傾向も変わってしまうのではないかという意見もあります。


しかし、変わるのはあくまでも受検資格に関するルールであって、施工管理に必要な知識や技術が変わるわけではありません。より実務経験に即した知識が問われるなどの変化はあるかもしれませんが、今から過去問を勉強しても無駄になることはないと考えられます。



・勉強時間を確保しやすい環境の会社に就職・転職する

資格取得に向けて努力しているものの、仕事が忙しいためになかなか勉強に時間を割けず、合格できていないという方もいると思われます。もともと施工管理は仕事時間が長くなりやすく、「とても勉強にあてる時間なんて確保できない」というケースも珍しくありません。


そんな時は、受検勉強がしやすい環境の会社に就職・転職するのがおすすめです。たとえば、ITツールによる業務効率化に取り組んでいる会社や、完全週休2日制の会社に転職すれば、長時間労働を避けられ勉強時間を確保しやすくなります。


また、元請け中心に工事を受注している会社や、1人1現場体制の会社に就職するのもおすすめです。このような会社は施工管理の裁量権が大きく、業務内容やスケジュールを自分で調整しやすい環境にあります。そのため比較的、勉強時間を取りやすいのです。


もちろん、プライベートの時間を確保しやすいことや、自分で考えて行動する機会が多くスキルアップにつながりやすいことなど、勉強時間以外にも多くのメリットがあります。働きやすい環境で施工管理としてキャリアアップしていくためにも、就職転職活動をする時は上記のような環境の会社を探してみましょう。




■まとめ



2級建築施工管理技士の合格率は、国家資格の中では比較的高く、独学でも十分に取得することが可能です。勉強を始めたばかりの頃は難しく感じるかもしれませんが、ポイントを押さえて毎日勉強すれば、確実に力が身につきます。2級取得後は、さらに現場経験を積んで1級の取得を目指すこともできますから、ぜひ計画的に勉強しましょう。




■美喜工務店は働きながら資格勉強をしやすい環境! 学びながら一緒に成長していきませんか?



美喜工務店は長野県を拠点に、店舗建築や戸建新築、リフォームを手掛けている創業45年の会社です。大型ホームセンターや量販店といった、商業施設の工事をメインに行っており(一部県外出張あり)、有名な施設の施工実績もあります。現在、施工管理者や現場作業員として働いてくれる方を募集しております。


弊社は元請けとしての業務が多く、1人1現場を基本としており、スケジュール管理など自分の裁量で働くことができるのが魅力です。業務の量や時間を調整しやすいため、比較的勉強時間を確保しやすく、施工管理技士をはじめとする資格を働きながら取得することができます。


未経験の方の採用も積極的に行っており、未経験者は入社時に資格がなくてもOKです。家が建つまでに必要な設計から内装まで、幅広い知識が身につくため、建築のプロとしてキャリアアップできる環境が整っています。資格取得をサポートする制度があり、取得にかかる費用は会社が負担しているため(上限10万円)、安心して資格の取得に集中することが可能です。


もちろん、すでに資格をお持ちの方は、入社時に相談の上、給与に反映させていただきます。これまでの経験や能力に見合った待遇をご用意いたしますので、ぜひお話をお聞かせください。


未経験から一流の施工管理を目指したい方、さらにスキルを磨きたい経験者の方、どちらも大歓迎です。興味のある方はお気軽にご連絡ください。皆さんと一緒に働ける日を楽しみにしています。


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